テリーギリアム監督の作品を劇場で観るのは、初めて。
半年前くらいにギリアム監督がグリム兄弟の物語を映画化したという情報を知って
とにかく楽しみにしていた。
劇場で予告を観て、楽しみは一気に期待に変わった。
魔物退治をして賞金を稼いでいるグリム兄弟。が、じつは各地に伝わる伝承を利用して自分たちで「魔物」を演じ、村人たちを信じ込ませて賞金を稼いでいた。
しかし、兄弟の芝居は気がつかれ、罰としてある事件の調査をすることになる。
マルデバンの森で少女たちが次々と姿を消していた。赤いずきんをまとった少女、グレーテルという名の少女・・・いままでに10人の少女の行方がわからなくなっていた。
グリムたちは、暗い森に入っていき、大きな塔を発見する・・・
雰囲気がたまらなかった。
人狼、人食いの木、水車小屋にひそむ魔女、眠りつづける女王・・・
雰囲気だけで充分に嬉しい映画。
ストーリー自体は大きな起伏もなく、見せ場らしい見せ場がないので
退屈に感じる人もいるかもしれないが
それぞれのエピソードが童話につながっていると思うと
とても楽しい。
「赤ずきん」「ヘンゼルとグレーテル」「シンデレラ」「眠れる森の美女」・・・
この物語は「物語」に救われて、終わる。
幸せに暮らしましたとさ、で終わらせるべきで
最後の一言はいらない!
日本語訳がいけないんだろうか。